スタッフブログ

blog

守り抜かれた静寂

文豪はどんな景色の中で
言葉を編んでいたのだろう
そんな淡い好奇心に引かれて
私は豊島区にある
鈴木信太郎記念館へと足を運んだ

そこに鎮座していたのは
圧倒的な重厚感を纏った
濃い木の色の本棚だ

けれど
その静穏な空間を鮮やかに裏切るように
小さなステンドグラスから
カラフルな光がこぼれ落ちている

鈴木本人がデザイン案を手掛けたというその硝子は
どこまでも絢爛で
けれどどこか祈りに似た静けさを孕んで
本棚の深い影と鮮烈なコントラストを描いていた

足元を見れば
そこは無機質なコンクリートの構造体
フランス文学者として
彼が蒐集した膨大な稀覯本(きこうぼん)は
一度失えば二度と手に入らない世界の破片

震災や空襲からそれらを
物理的に切り離し
守り抜くため
彼はこの場所を「本のための城塞」として
コンクリートで築いた

1945年
空襲の炎は隣接する木造の母屋を
そして鉄骨造の2階を無慈悲に焼き尽くした
けれど
このコンクリートの書庫だけが
炎の牙を撥ね退けて生き残った

本への執着が
石の冷たさを借りて時を止めた

今もそこにあるのは
燃えなかった言葉たちの
あまりに静かな熱量だ

 


【開催中】
2階建ての住まい:愛知県犬山市
2026.3.7(土)~3.15(日)まで


 他SNSでは新着情報をお届けいたします。

   


 大幸住宅では「暮らしを、自然を愉しむ」を大切に皆様のお住まいづくりのお手伝いをしています。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

 

この記事を書いたスタッフ

スタッフの詳細を見る

吉田武大

吉田武大

資料請求・お問い合わせ

資料請求・
お問い合わせ

contact

家づくりに関するお問い合わせ、設計や資金計画についてのご質問など、何でもお気軽にご相談ください。
大幸住宅可児工房の家づくりがわかる無料カタログも準備しておりますのでフォームよりご請求ください。