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時間軸を曲げる

おはようございます!
設計の加藤です。

 

時間が早く感じるときと、ゆっくり感じるときがあると思います。
ゆっくり感じるときはどんなときがありますか?

逆に、どんなときにゆっくりと感じたと感じることができるだろうか?
少し考えてみました。

時計の針ではなく、光が動いた距離で時間を感じるとき

床に落ちた木々の影が、忘れた頃に数センチだけ移動しているとき

珈琲カップから立ち上る湯気が、透明なリボンのように緩やかに空気を泳いでいるとき

黒い水面に映る緑が、熱を失うまでゆっくりと揺れているとき

風に揺れる青葉の隙間から、木漏れ日がゆっくりと瞬くとき

遠くで聞こえる鳥の声が、波紋のようにゆっくりと空間に溶けて消えていくとき

図書館の中でページを繰る、乾いた音だけが聞こえるとき

 

こんな描写を感じたい。
時間をゆっくり使いたいという静かな願い。

そんな願いを叶えてくれる場所が存在するのです!

ということで行ってきました。

 

「鈍考」
こちらの建物は、建築家の堀部安嗣さんの設計です。
土地探しの段階からお施主様と一緒に計画を進められ、伝統的な日本の住宅建築の手法と最先端の技術を織り合わせ、この場所ならではの居心地と温かみ、そして静かに流れる時間がつくりあげられた建物です。

コンセプトが素敵すぎます。
以下~HPより~

「鈍考donkou」の想い
時間の流れの遅い場所をつくりたい。そのために設計された私設図書室と喫茶が
「鈍考donkou/喫茶 芳 Kissa Fang」です。

人を取り巻く日々の流れが加速するなか、社会のシステムやテクノロジーが求める速度から、敢えて鈍くあること。
そして、人としての愉しさや健やかさについて自発的に考え続けること。
それが、「鈍考」で促したい時間です。

ゆっくりと焙煎し丁寧に淹れた珈琲を味わいながら、本を読む。
なんということのない孤独な時間と、書物という過去の誰かとの交感が、これからの人間の創発や豊かさの基盤になると信じて、ここに「鈍考」をひらきます。

文章では何を言っているのか難しいところがありますが、その時間を体験することで、
何となく、何を伝えようとしていたのかが分ったような気がします。

 

置いてある本も素敵すぎます。
以下~HPより~

「鈍考」の本について
外部記憶が充実し、生成系AIが機械学習を日々進めるなか、インターネットに浮遊していない知見やアイデアを人が探めるときに、紙の本だからこそ伝えられる何かがあると私は考えています。

書き手がしぼり出した言葉を、読み手が丁寧にすくいあげ、交感し、解釈すること。
過去の言葉を未来のための血肉として変貌させること。

それらしい言説のまとまりを作ることは機械がしてくれる時代がきていますが、著者と読者が成す1対1の精神の受け渡しは、人間が自発的に考え、判断し、未知を発見するための基盤になると考えます。

そのための集中する場と、時間のフレーミング、そして心の弛緩が「鈍考」には在ります。

ページを読む手を止めて考え込んだり、読み戻ったり、別の書物を手に取ったり、紙の本でしか体感できない情報の取り入れ方をもう一度ここで呼び覚ましてください。

紹介文が長くなってしまいました。
この空間に居ると、時間はゆっくり過ぎるが、
振り返ると早いという、よくわからない時間軸を曲げたような体験ができます。

 

著者と読者が成す1対1の精神の受け渡し
この言葉はグッときますね。

堀部安嗣さんの設計した建物で、堀部安嗣さん著書の本をひたすら読んでいました。
何となく、精神の受け渡しをしてもらえたような気がします。笑

 

住宅も、造り手と住い手の精神の受け渡しだと思いました。
全力で受け渡せるよう、精進してまいります!

 


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2026.1.10(土)~1.18(日)まで


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加藤貴之

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