おはようございます!
設計の加藤です。
秋の気配が深まり、木の葉が少しずつ表情を変える季節になりました。
「読書の秋」という言葉に背中を押されるように、
久しぶりに図書館へ行って本でも読んでこようかなと、ふと思いたち、私は家を出ました。
ここで問題
「みんなの森」と言えばどこの図書館でしょう?
これだけで分かった人はさすが!
岐阜で有名な図書館。
みんなの森と言えば、伊東豊雄氏が設計した『みんなの森 ぎふメディアコスモス』ですよね!
あの天井を覆う大きなグローブと、木格子で組まれた大屋根が美しく、木のぬくもりに包まれながら本と向き合える場所です。
ここで問題
「本の森」と言えばどこの図書館でしょう?
これだけで分かった人はすごい!
ということで行ってきました!
石川県で有名な図書館
本の森こと、「石川県立図書館」

環境デザイン研究所 仙田満氏が設計を担当しています。
仙田さんはこども環境や遊び空間の研究で知られる建築家で、「遊環構造」という考え方でも有名です!
読書という静かなきっかけから、実は読書目的ではなく、図書館を見に行くとう動な動き。
「静」と「動」
そしてこの図書館も、まさに「静」と「動」なつくりを持った図書館だと言えるのです!
外観の整然とした静寂な佇まいから一歩中へ足を踏み入れると、目の前に広がるのは円形劇場のような圧巻の大空間です。
360度、ぐるりと取り囲むように立ち上がる書架の円環。
すり鉢状になった中央の吹き抜けを軸に、各フロアの回廊が重なり合い、見上げた瞬間に圧倒的なスケール感で迫ってきます。


中央の大きな吹き抜けやダイナミックに交差する階段、上層階へ向かって視線が縦横無尽に抜けていく立体的な大空間は、まさに空間そのものが躍動しているかのような「動」のエネルギーに満ちています。
どこを歩いても目線が切り替わり、空間の表情がくるくると変化していく感覚は、まるで本の森の中を旅しているかのようでした。
一方で、その「動」の渦から一歩引き、書架の壁面や回廊の奥へと足を踏み入れると、一転して包み込まれるような穏やかな「静」の居場所が現れます。
木素材のあたたかな質感や細部の納まり、光のまわり方が計算されているため、これほどの大空間でありながら冷たさや威圧感は一切ありません。

オープンで開放的な閲覧席もあれば、すっぽりと身を置ける心地よい「こもり感」のある席もあり、誰もが自分だけの静かな時間を楽しめるように設計されています。

建築のスケール感を肌で味わう「動」の時間。
お気に入りの居場所を見つけ、深く本の世界へ没頭する「静」の時間。
この「静」と「動」が緻密なバランスで重なり合っているからこそ、「本を探す」という行為がここでは特別な時間へと昇華されているのだと感じました。
良い建築に出会うと、ただ眺めるだけでなく、光の取り込み方、素材同士の取り合い、
そして人がそこでどんな時間を過ごすか。という設計者の静かな意図に心が震えます。
って書かれた本を棚に戻し、私は図書館を去ったのでした。
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